Snap! プログラミング
Snap!(Build Your Own Blocks) は Scratch の機能拡張版です。Scratch は MIT で、Snap! は Scratch を基に Berkeley 大学で開発されました。テキストベースのプログラミング言語の場合、予約語など基本的な命令構文を知らないと使えません。スペルなどを一文字間違えただけでもエラーになってしまいます。Scratch や Snap! では、すべて表示されているブロックから選んでプログラミングしていくのでとても入りやすいと思います。Scratch が初心者向けに機能を絞り込んであるのに対し、Snap! はいろいろとプログラミング言語としての機能を付加した内容になっています。デフォルトのスプライトがネコではなくて矢印なので中学生以上でも抵抗なく使えるのではないかと思います。Scratch は命令ブロックをつなげていく手続き型プログラミング言語です。ユーザー定義ブロックはありますが、複数箇所での同じような処理を一つにまとめる程度の意味合いでした。定義ブロック内で変数を作ることはできず、値を返すこともできません。Snap! の定義ブロックは制御型、値や true や false をリポートするリポーター型となんでも作成できます。関数も作成できます。ver. 10 からはハットブロックを除くすべてのブロックが編集可能になりました。Snap! の特徴として、デバッグ機能があります。実行速度を調節してステップ実行させたり、実行中のブロックをハイライトさせてリポーターブロックの値をリポートします。Snap! は Scratch と同じようなブロックを備えていますが、ゲームなどを移植してみるとうまく機能しなかったり、速度が得られなかったりします。あるやり方でうまくいかなかった場合、それは論理的に間違っているわけではないかもしれません。Snap! 側に問題がある場合もあるので、固執せずに他のやり方を工夫してみてください。
例えば、Scratch で次のように 1000 個のリストを値 0 で初期化すると一瞬で完了します。
Snap! で同じようなやり方をすると、信じられないくらい時間がかかります。 や で囲めばその範囲のスクリプトを高速で実行することができます。 リスト処理に関しては次のように一瞬で行える方法があります。
Snap! の解説 PDF
Scratch については書籍も豊富に出回っていて Web での情報も多いのですが、Snap! については日本語での情報が少ないのが現状です。公式のマニュアルを読むのが一番だと思いますが、副読本として理解の一助になれば幸いです。Web ブラウザが対応していれば、PDF ファイルへのリンクを左クリックすることで見ることができます。
「作図チャレンジ」を使ったプログラミング入門
ステージ上に簡単な図形を描くことで、プログラミングの基本である「順次実行」「条件分岐」「繰り返し」を体験します。 Snap! 入門と言うよりはプログラミング入門を意図しているので、むしろ Snap! にもともと備わっているものではないブロックを使ってプログラミングします。ステージに描かれた図形に沿ってスプライトが動くように、自分で考えてブロックを組み立ててもらうパズル集のようなものです。「階段」を描くのは簡単ですが奥が深い問題で、これを突き詰めていくと「迷路」の問題につながります。
ブロックくずしゲームの作り方
Snap! を使ってブロックくずしゲームの作り方を説明します。パドルのスプライトをカーソル移動キーで動かしてボールを跳ね返し、クローンを使って作成したブロックに当てて消していくゲームです。スプライトは Costumes のものを利用します。
Scratch の解説 PDF
Scratch の変数について説明してみました。